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崖の上のポニョ

崖の上のポニョ

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宮崎駿監督 スタジオジブリ
ついに崖の上のポニョがテレビ初登場ということで、日本テレビで放映されたのを観ました。

放映される前の番組の中で、一度聞いたら忘れられないあの主題歌を大橋のぞみちゃんが歌っていましたが、音程が合っているバージョンでした。私は音程が外れ気味バージョンが好きだったのでちょっと残念です。

共演者の藤岡藤巻さんも「あの音程の外れ具合がたまらない」おっしゃっていましたが、私も同感です。音楽は音程(ピッチ)が合っていれば聴く人が感動するわけではないところが不思議です。

例えばブルーズ(ブルース)のギターでも、わざと不安定な音程のフレーズを弾きます。あれがたまらないんですよね。というわけで大橋のぞみちゃんの歌も音程外れ気味バージョンを聞きたかった私です。

それにしてもこのポニョの主題歌は耳に残る、とても印象的な曲ですね。作曲者の久石譲さんがNHKの宮崎駿監督とポニョのドキュメンタリー番組で、サビのはじめの部分のメロディーをコードの構成音のみにしたと確かおっしゃっていましたが、それだけの音で耳に残る曲を作るのは素晴らしいです。

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○あらすじ

海の中で父であるフジモトと暮らす魚のポニョ(ちなみにポニョという名前は宗介が付けた)。

フジモトは人間であったが、豊かな命を人間に恵んでくれる海を大切にしない人間に嫌気が差し、海中で魔法を使って海の生態系を守っている。

ポニョにはたくさんの妹たちがいる。ポニョはある日、フジモトの目を盗んで家から抜け出す。寝入ってしまったポニョは気づいたら海面近くまで来ていた。

そこに向かってくる船。ポニョは逃げるが、網にさらわれてジャムの瓶にはまり込んで出られなくなってしまった。

一方、崖の上の家で母のリサと暮らす5歳の男の子、宗介。宗介の父は船乗りで、なかなか家に帰ってこれない。

宗介はおもちゃの船で遊ぼうと海岸へ行った。そこで宗介は瓶に入ったポニョを見つけ、必死で助けようとする。

無事にポニョを助けた宗介は、ポニョにハムをあげたり幼稚園に連れて行ったりするが、フジモトによってポニョは海へと連れ戻されてしまう。

宗介を好きになったポニョは「人間になる」というが、ポニョに純真無垢な魚のままでいて欲しいと願うフジモトにはとうてい受け入れられるものではなかった。

だがあきらめないポニョ。ポニョは妹たちの助けを借りて再び宗介の元へと…。


○感想

もう少し物語の舞台が広いのかと思ったのですが、そうではなかったのがやや意外でした。

声優については、ポニョと宗介の声はぴったりでしたね。老人ホームのおばあちゃん達もとても感じが出ていました。

フジモト役の所ジョージさんですが、所さんはNHKで2010年現在再放送中のアメリカドラマ「アルフ」ではぴったりの声を演じていらっしゃったのですが、今回のフジモトは正直なところ、プロの声優さんのほうが良かったような気がします。

さて、物語は宮崎駿さんが「不安と神経症の時代に」贈るとおっしゃっているように、観終わったときに心があたたかく、幸せな気分になるものでした。

風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」のように激しい戦闘シーンなどがあるわけではなく、物語は日常的な風景を淡々と描いていくところが多いので、途中で眠くなってしまったこともありました。

しかし、中盤からポニョが元気がなくなっていってしまい、この先どうなってしまうのだろうと気になって仕方がありませんでした。

何よりもポニョの無邪気な顔やしぐさを見ているだけで楽しいです。


○映像の美しさは絶品

映像はさすがスタジオジブリという品質の高さでした。冒頭のくらげやポニョの妹など、全部手書きなのでしょうね。気の遠くなる作業です。

今回は海中の映像が多いのですが、古生代の魚の動きやそれによって水面が動く様子など、実写のようなリアルさでした。

そして、宗介やポニョの動きが鮮やかに描かれており、子供の持つ生命力を見事に表現していました。


○テーマを一応考える

さて、今回の「崖の上のポニョ」は、作品にこめられたテーマなどを理屈で考えるより、人間になりたい、宗介に会いたいという純粋な願いを持つポニョと、ポニョを守ると誓った宗介がどうなるのかを見守ることを楽しめばそれでいいのかな、と思います。

宗介に会うためにポニョが波の上を駆けるシーンには何ともいえないバイタリティーがあふれていました。宮崎監督がおっしゃるような「不安と神経症の時代」にはなかなか多くの人が実感できないであろう「生きる喜び」。それをポニョは体中で表していました。

そうしたポニョの元気さを見るだけでとても幸せな気分になれました。それこそが宮崎監督のもっとも表現したかったことかなあ、と思っています。

それを承知の上で、あえて「崖の上のポニョ」に込められたテーマをさらに考えてみたいと思います。

まず冒頭のシーンで登場した海底は人間の捨てたごみだらけでした。そしてフジモトが海面を進むところでも、ごみに何度も顔をぶつけていました。

そしてフジモトはポニョが人間になりたいというのを聞き、純真無垢な魚のままでいて欲しいとつぶやくのです。

おそらくフジモトはとても海を愛していたのでしょうね。そしてその恵みを受けながら平気で海を汚す人間。また、人間の心のずるさや汚さもフジモトは嫌になっていたでしょう。

そのため、そのような人間にポニョがなるなんてとんでもないと思ったはずです。

しかし、ポニョは人間になって宗助に会いたいという純粋な願いから家を飛び出し、宗介のところへ行くのです。

私も、フジモトと同じような思いを抱えています。自分も含めて人間には愚かさや醜さが多くあります。そしてなおさら人間の世界を捨てたフジモトにはポニョには人間になって欲しくないという思いが強くあったはずです。

しかし、宗介はポニョを守ってあげると約束しました。ポニョは魔法が使えなくなるにも関わらず、人間になるという願いを持ち続けました。

この宗介とポニョの姿に、宮崎駿監督は生きる喜びや、未来への希望を見出したのではないかと思います。

私も「崖の上のポニョ」を観て、元気が出ました。特にハラハラする場面があるわけでもなく、ストーリーに起伏があるわけでもないのですが、不思議なパワーのある作品です。

「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」、「天空の城ラピュタ」などの宮崎作品に比べると、物語が単調で面白さという点ではかなわないと思います。

しかし、お子さんはポニョの生き生きとした姿に喜ぶでしょうし、心の疲れ気味な大人にもおすすめな映画です。

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