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妖怪人間ベム 第10回(最終話)のネタバレ有りレビュー

妖怪人間ベム 第10回(最終話)のネタバレ有りレビュー

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永太郎を探す途中で、小春に出会います。小春は、懸命に働く庭師を見て、あの人のようにやりたいことをみつけられるのか、と自問しています。

小春もベラたちと出会ったことで、いろいろ学んでいるようです。

ベロが「おいらたちの居場所はどこなんだろう」とつぶやくシーンはとても悲しいものでした。姿が違うというだけでのけものにされるベロたち。

夏目の家に行って、写真のプリントアウトを知らないのにうなずいた、と言ってベロがベムをからかうところはとても微笑ましかったです。魂が抜かれるというベラも笑えました。

そしてベラを笑ったベロがベラに強く掴まれるところは凄みがありました(笑)。


名前のない男の胸中

まことが亡くなってから行かなくなったピアノコンサートにベムたちも招待されます。大勢の人がいるので、ベムたちの正体がばれないかと嫌な予感がしましたが、やはり。

名前のない男がベムたちの船に来ます。人間になって名前が欲しい、自分という存在を味わいたいという男。気持ちはわかります。彼も人間にはつまはじきにされてきたでしょう。

また、晋作博士が生まれて欲しいと思っていた存在でもなかったはずです。それは虚しいでしょう。

そんなに悪は醜いか、それが人間なのに、という言葉にも、男の悲しさがこもっていました。

しかし、謎の男は驚くべきことを語ります。私たち妖怪人間が死ぬ方法はあるというのです。それは、体に傷を付けて、骨のステッキにすべて吸収させるというもの。

なるほど、ここにもステッキの意味があったんですね。

もう一度人間というものを見せてあげてくださいと夏目にいう男ですが、夏目はそんなことはしない、と自制します。

まことの死は元をたどれば謎の男の仕業でした。当然憎いのですが、家族がいるからみんなで乗り越えるという夏目。偉い!

そして、ベムたちが人間になるためにはお前に生きていてもらう必要があると言います。ベムたちのことを本当に考えてくれているんですね。

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悲劇が

夏目は刑事を続けるとベムに言います。3人で夜空を見上げるベムたち。ベムは、人間は不安の中で生きている。だから月のように誰かがわずかでも光を灯さないといけないのかもしれない、と言います。

人間に虐げられても人間のことを考えるのですから、まさに正義の心ですね。また、人間はベムたちと違って、傷を受けてもすぐに回復しませんし、死なないわけでもありません。

そうなると、人間が悪に傾くのも仕方ない気もしますね。

一方、現金輸送車を襲った連中がベムたちのいるピアノコンサート会場に逃げ込んでしまいます。

客を人質にして立てこもる男たち。夏目は自分が刑事であることを明かして、説得します。

しかし、男たちは一生懸命働いても貧乏人は貧乏人のままだからカネを奪ったと言います。

襲われそうになる夏目をかばうベム。しかし緑の血と角をみんなに見られてしまいます。


正体を見られても

ベムは「この世の中は誰もが望むようなきれいな場所ではないが、悪に抗い生きていけるのが人間だ」と言います。

「人間であることを投げ出さないでくれないか」という言葉は印象的でした。

変身しそうになるベムを夏目は必死に止めます。正体が知られてしまうからです。

しかし、見過ごすことはできない、そうしたら自分たちはただの妖怪になってしまうからとベムは言い、変身します。

それを見て怖がる犯人や客たち。ベラとベロも変身し、身を呈して客を弾丸から守ります。

緒方教授や優以たちも茫然自失としています。

そして弾切れになり、ベムたちは犯人を倒します。しかし、犯人たちが悪行を働いたのは、名前のない男の仕業ではありませんでした。

男が言ったように、自分が手を下さずとも、人間は悪事に走るということになります。これは人間を信じるベムにとっても考えさせられたかもしれません。

「行こう」とベムは言います。正体を知られた以上、もう夏目一家や教授たちと一緒にいることはできないからです。

夏目は「待ってください。ベムさんたちは助けてくれただけじゃないですか」と必死に止めてくれますが、ベムは「いつまでもそばにいますから」と言って去ります。


研究所の中で

もはや夏目たちと一緒に過ごすことはできず、居場所を失ってしまいましたから、ベムたちはとてもがっかりしたでしょう。

研究所の中には名前のない男がいました。ベロは男に、「人は悪にならないように踏ん張っている」と言います。ベムも人間にはならないと言います。

ベラも、人間が悪い方に進むのを止めてやらないといけないと言い、ベロは自分たちが死んじゃうと人間を守れなくなるといいます。

ベムたちが人間になれば、人間社会の中で、夏目たちと仲良く暮らせます。楽しい思い出も作ることができます。それを捨ててでも、人間を守るというのです。泣けます。

しかし、男は今後もずっと人間の悪を開放し続けるでしょう。そこで、ベムは「お前は俺たちが止める」といって男に掴みかかります。

男は「自分が消滅すればお前たちは人間にはなれなくなる」と言いますが、構わずベムがステッキで男の胸を突き刺しました。

男がつけていたアルコールランプが倒れ、研究所に火がついてしまいます。夏目はベムたちが気になっていたのでしょう、研究所が大変なことになっているのを目にします。

男は、ベムにこう言います。「同情しますよ。あなたたちを待ち構える未来を思えば。ようやく私は死ねる」と。

男の死を見届けて微笑む3人。そして崩れる建物。


エンディング

必死に建物の跡を探す夏目ですが、ベムたちの姿がありません。その中で彼はステッキと何かを見つけます。

船の中にももはや誰もいません。このシーンはとても寂しかったですね。

夏目は静かな船内で、ベムたちが座っていたテーブルに何かを置きます。それは、ベムの帽子、ベラのアクセサリー、ベロのゴーグルでした。

ピアノを弾く優以。その上にはベムたちと撮った写真も飾られています。

教授は研究所に残されたステッキを研究し、不思議がまだまだあると言います。小春は将来を考えて就職活動をするようです。

ベラの言葉が後押ししてくれたのでしょう。

そして、永太郎が教授たちの作った家に戻って来ました。

刑事に復帰した夏目は、部下と共に犯人を追っています。犯人を見失った夏目ですが、実は犯人に銃で狙われていました。

しかし、危ないところを何者かに突き飛ばされ、犯人は倒れます。

夏目は空を見上げて「ベムさん…」とつぶやきます。そう、姿は見せずとも、ベムたちが助けてくれたのです。

そして、夜の街。大きな満月を背景に、ビルからビルへと飛び移る3人の影。「 ベムたちはきっとどこかで生きているはずである」


総評

始まる前は、ベムの実写化などできるのか、できても面白いのだろうか、と思っていました。

しかし、見始めてみたら、とても完成度の高い、面白いドラマになっていました。

ストーリーも奥が深かったです。名前のない男の正体は意外でした。

なによりもベムたちが人間になって幸せになるというハッピーエンドがいいと思っていましたが、そうはなりませんでした。

正義の心が強いだけに、悪を受け入れるということは彼らにはできなかったのです。

しかし、心の醜い人間の一人である私からすれば(笑)、ベムたちが人間になってしまうのには反対です。

悪や不幸が蔓延するこの世の中で、闇夜を照らす月が無くなってしまうからです。

ベムたちが太陽でなく月というのは、まさに言い得て妙の設定でした。オープニングの夜の街もこれを表していたのかもしれません。


ベムたちのその後を想像する

ただ、ベムたちにすれば、やはり人間になるのが一番幸せだったでしょう。彼らなら夏目のように、悪の心に抗って(あらがって)善人として楽しく生きられただろうと思います。

しかし、人間はもともと心のなかに悪がありますが、ベムたちにはありません。そうであれば、悪が心に入り込むことを受け入れることは難しいかもしれません。

そして、ベムたちは人間になるという望みを、男を消滅させることで裁ちました。自分たちを虐げてきた人間のために。

もはやベムたちは人間になれません。しかし、ピアノにベムたちの写真が飾ってあったことを考えると、奈穂子や優以もベムたちにもう一度会いたいと思っているはずです。

おそらく、コンサートでの事件があった後、夏目は真実を家族や教授たちにも打ち明けたはずです。

できればベムたちと優以たちが再会できることを願います。

ただ、それでも名前のない男が言ったように、ベムたちにはつらい運命が待ち受けているでしょう。再び人間社会に居場所を見つけても、また居場所を失うことになるでしょう。

また、ベムたちは自ら消滅を願わない限り、もはや死ぬことができません。ということは、夏目や優以たちが死んでも、自分たちは生き続けねばなりません。

それはとてもつらいことだと思います。

そんな過酷な運命を背負っても、人間のために彼らは居場所を捨てて、光となって生きていくことを選びました。

その理由には、人間へのあこがれを抱かせてくれた夏目の存在があるでしょう。

今後ベムたちがつらい目にあっても、夏目たちの死後も生き続けるとしても、夏目たちや教授たちとの短かったけれど楽しかった思い出を胸に生き続けるのだと思います。

このドラマ版「妖怪人間ベム」、未見の方にはぜひおすすめします。DVD化されるようですし。私はベムたちや夏目の姿に感動して胸が熱くなりました。

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