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グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち

グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち

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天才的な頭脳を持ちながら心を閉ざしてしまった青年と、彼のセラピーを引き受けた心理学者の交流を描いた感動作です。

ボーン・アイデンティティー」などで素晴らしい演技を見せているマット・デイモンの出世作となりました。アカデミー受賞作品です。

なんと、NHKBSによる映画解説によると、この「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」の脚本はマット・デイモンと彼の親友のベン・アフレック(本作ではチャッキーを好演)によって書かれたものだとか。すごいですね!


○あらすじ


マサチューセッツ工科大学(MIT)で教鞭をとるランボー教授(ステラン・スカルスガルド)は、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞の受賞者だ。ランボーはある日、学生たちに数学の難問を出し、これが解けたら名誉と、フィールズ賞への道が開けるだろうという。

しかし、彼の優秀な学生たちも誰一人解くことができない。ところが、学生でない何者かがこの難問の解答を黒板に書いていた。

驚いたランボーはもっと難しい問題を黒板に書く。そしてランボーと助手はその問題を解いている男を見つける。なんと彼はこの大学で清掃係として働いているウィル・ハンティングという青年だった。

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ランボーはウィルの数学に対する才能に驚くが、ウィルは過去に何回も暴力沙汰などを起こしていた。そして悪友たちと再び暴力事件を起こしたウィル。

ウィルは自分の裁判の弁護を自分で行い、過去の判例まで用いて弁論していた。彼は知能が並外れて高いのだが、実は孤児で、里親からも虐待を受けていたのだった。

ランボーはウィルの才能を埋もれさせたくないとウィルの身元を引き受けるが、2つの条件を出した。一つは自分とともに数学に取り組むこと。

そしてもう一つは専門家のセラピーを受けることだ。渋々セラピーを受けるウィルだが、知能の高さも災いして、セラピストを完全にバカにする。

困ったランボーはある男にウィルのセラピーを任せようと思う。その男は、ランボーのかつての学友であったショーン(ロビン・ウィリアムス)であった。


感想

まず、主演のマット・デイモンは素晴らしい演技をしていました。不自然なところが一つもなかったです。

それにしても、あんな天才って本当にいるのでしょうか。実際にもいるそうですが、信じられない気もします。恋人にウィルが「瞬時に記憶できるの?」と聞かれていましたが、写真記憶(フォトグラフィック・メモリー)というものでしょう。

例えば粘菌を研究した南方熊楠(みなかたくまぐす)もこうした能力があったそうです。南方さんはかなり個性的なお人だったようですが。

まあ、私でも写真記憶ができればテストなんかあんまり勉強しなくてもチョロいもんだろうなあ、とこの映画を観て思いました。

私の好きなシーンは、バーでインテリ学生が歴史学の知識をひけらかそうとしたところ、ウィルが逆にやり込めるところです。数学だけでなく、有機化学、物理学などにも精通しているとは、恐れ入ります。

しかし、彼は自分は絵は描けないと恋人に言います。これはショーンの絵を酷評した場面とつながっていると思います。ウィルには知識が異常なほどありますが、絵を描くことはできない。ショーンが見抜いたことをウィルも実感したのでしょう。

それから、ウィルがランボーを馬鹿にして、紙を燃やしてしまうシーン。ランボーがあわてて火を消そうとする様子が、観ているこちらまでショックを受けるほどのつらい場面でした。


天才的な能力と仲間

数学者なんて私から見るとまったく理解できない世界の住人ですが、その中でも優秀なランボーでも夜眠れなくなり、自分とウィルとの才能の差に愕然とするのかと驚きました。ランボー役の俳優さんも素晴らしい演技でした。

そして、なによりも印象的だったのはウィルの親友であるチャッキーが解体現場での仕事の休憩時間にウィルに言った一連の言葉です。なぜそれだけの才能を持ちながら換金しないんだ? 多くの人はウィルのような才能は本当に持ちたくたって持てません。

チャッキーの言葉にはとても共感しましたし、ウィルに込めたチャッキーたちの願いを感じました。

そして、愛する妻を失い、友には見下されるといった境遇の中で辛抱強くウィルが心を開いてくれるのを待つショーン。ロビン・ウィリアムスの演技もこれまた絶品でした。

ショーンの妻のおならのエピソードやウィルの飛行機のジョークなども傑作でした。「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」にはこのようなエピソードやジョークが多数登場します。

チャッキーの話す酔っ払いの父親のエピソードのとき、悪友の一人がその話に意味があるのか、と聞く場面があります。

これを深読みすると、ウィルとショーンの会話でも、たいした意味のないただのジョークを言い合うだけで、二人の距離が縮まっているのを感じます。人間同士とは本から得られる知識ではない、意味のないような触れ合いこそが重要なんだというメッセージかも知れません。

抑え目のベッドシーンや卑猥なジョークが飛び出すので、小学生のお子さんと見るのは止めておいたほうがよいでしょうが、人生経験を重ねた大人ほど、本作に登場する人物たちに強く共感できると思います。

心を閉ざしたウィルがショーンと出会い、どう変わっていくか。そしてウィルを見守る悪友たち。この映画のタイトルの意味が分かったとき、深い感動を覚えました。
評価:  4.5点(5点満点)

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