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龍馬伝 第48回(最終話)

龍馬伝 第48回(最終話)

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○あらすじ

海岸で若い者に剣の指導をする武市半平太。そしてその脇にはまんじゅう屋の長次郎もいる。

そこに現れた坂本龍馬(竜馬)。武市は大政奉還を成し遂げた龍馬に「よくやった」と声をかけ、長次郎たちも祝福してくれる。

しかしそれは、龍馬の見た夢であった。

彼は大政奉還後、日本の政治がどう変わっていくかを見届けるべく、京都の近江屋に居場所を移していた。

その頃、岩崎弥太郎は龍馬を探していた。龍馬は密かに京を脱出し、越前へと向かった。

そこで松平春嶽に会った龍馬は、新政府綱領を薩摩と長州、土佐に送ったことを明かす。それを見た春嶽は、政権を司る者を伏字にしてあることの意味を彼に尋ねる。

近江屋に龍馬を訪ねた弥太郎は、ミニエー銃9000丁を売ったことで、5245両もの大金を稼いだことを彼に告げる。しかし、この金は龍馬を信用してしまったために稼げたものであり、自分は龍馬のことが大嫌いであると弥太郎はいう。

そこで、お前に儲けさせてもらった金などいらんというのだ。

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薩摩では、西郷吉之助や大久保利通が、新政府綱領の伏字について中岡慎太郎と話し合っていた。ここに徳川の名が入るのなら、それは薩摩に対する龍馬の大いなる裏切りになるからだ。

そこで、中岡は自ら龍馬を訪ね、問いただすと西郷らに提案する。もし徳川の名を入れるつもりなら、龍馬を斬るという覚悟のもとで…。

京では、なぞの集団が龍馬の行方を追っていた。弥太郎は土佐藩のものであることを彼らに知られ、龍馬はどこにいるのかを問い詰められる。しかし、弥太郎はなぜ彼のことを殺すのか、彼を殺してはいけないと懇願する。

それに対し、刺客は「我々は徳川幕府に忠義を尽くしてきた。その我々を龍馬は無にしたのだ」と答えるのだった。

一方、近江屋に戻った龍馬は、自分の誕生日に風邪を引いてしまっていた。そこに中岡慎太郎が訪ねてきた。


○感想・レビュー


いよいよ大河ドラマ「龍馬伝」も最終回を迎えました。龍馬を暗殺した黒幕については、諸説あるのですが、龍馬伝ではどうなるのだろうと気になっていました。

伏字の入った新政府綱領は、私も確か実物を見たことがあります。なぜ一番大切な箇所を伏字にしたのかについては、いろいろな説があるようですが、今回の龍馬伝の解釈はなかなか面白いものでした。

松平春嶽に対し、ここに誰が入るべきかを皆が真剣に考えることになるから、それでよいと龍馬が答えたシーンです。彼らしい、大胆な答えです。

弥太郎が身を隠している龍馬のもとを訪ねてくるという設定はちょっと非現実的な気もしますが、龍馬と弥太郎との最後のやりとりはなかなか印象的でした。

刺客役で以前放映された大河ドラマ「風林火山」で武田信玄を演じた市川亀治郎さんが登場するとは驚きでした。「功名が辻」の上川隆也さんでもそうですが、俳優陣は豪華でした。

今の時代から幕末を振り返ってみると、やはり260年あまりの平和な世の中に狎れて、硬直化してしまった江戸幕府では日本を狙う外国と渡り合えなかったのではないか、と思っています。

しかし、江戸幕府から俸禄をもらって幕府に忠義を尽くして生きてきた人たちの多くは、当時の急激な変化は受け入れがたいものだと考えたと思います。

その心情が刺客のセリフにもよく表れていました。

中岡が龍馬のもとを訪ねると、龍馬は新政府の重役の案を中岡に見せます。そこに松平春嶽などの名が入っていることに中岡は驚きます。

しかし、龍馬は伏字には「みんな」が入ると答えます。船中八策には「上下議政局を設けて各議院を置き、万機よろしく公論に決すべきこと」とありますから、やはり彼は身分に関係なく、民主的な国家を思い描いていたのだと思います。

山内容堂や後藤象二郎は徳川慶喜を議長とする列藩会議実現を目指していたそうですから(幕末維新人物総覧 秋田書店)、坂本龍馬という人物はやはり何ものにもとらわれないスケールの大きな思想の持ち主だったと思います。

自分は役人にはなりたくないので、自分の名を重役候補に入れていなかったのも彼らしいですね。普通は春嶽公の語っていたように、地位や名誉にとらわれるものですが、そういったものに恬淡としていたのがかっこいいです。

そしてそこが、坂本龍馬という人物の魅力だと思います。

しかし、薩長同盟を成立させ、大政奉還を実現させるという大仕事を成し遂げた坂本龍馬を狙うものも少なくありませんでした。


○龍馬暗殺

龍馬と中岡慎太郎がいるところを、刺客が襲い、その場で龍馬は暗殺されてしまいます。中岡と藤吉も後日、死んでしまいます。

龍馬を暗殺した犯人は誰かについては、当初は現場に新選組の隊士の所持品が落ちていたことから、新選組が疑われました。

しかし、明治になって見廻組の隊士だった今井信郎が告白し、自分や佐々木只三郎たちが暗殺したことが明らかになりました。

ただ、今井の証言も現場の状況と矛盾することもあるそうで、今なお黒幕については薩摩藩説、長州藩説(どちらも武力倒幕を望んでいた)、紀州藩説(いろは丸衝突事件で多額の賠償金を取られた)、中岡慎太郎説(武力倒幕を持論としており、龍馬と意見が食い違う)などがあります。

龍馬伝では、エンドロールで刺客の名が今井信郎となっていることで、やっと犯人の正体が分かるという凝った(あるいは分かりづらい)作りになっていました。

ちなみに、やはり会津藩の重役が見廻組に命じて殺させたという説が有力なようです。

なお、刺客が龍馬たちを襲った場面で、知事選の当選者を知らせる字幕が表示されましたが、あれは興をそがれた思いです。場面に集中できませんでした。

有事や地震なら字幕も必要でしょうが、番組の後にニュースもやるのに、あえて大事なシーンであの字幕を出す必要があったのかは疑問です。

こうして、武市半平太が「龍という名に恥じない人物」と評した坂本龍馬は、志半ばにして最期を遂げてしまいました。

その後、海岸にたたずむお龍のところに龍馬が現れますが、それも幻でした。呆然とするお龍に声をかけたのは権平と乙女でしたから、これは龍馬が殺された後、三吉慎蔵によってお龍が土佐の坂本家に身を寄せたときの場面だったんですね。

余韻の残るシーンでした。

そして、明治になり、九十九商会、三菱グループを設立した岩崎弥太郎は、龍馬のことが一番嫌いだったと振り返りつつも、「あんな龍はどこにもおらん」と言うのでした。

番組終了後のコーナーでは、岩崎弥太郎が会社のことだけでなく国家のことも考えないといけないと社員に訓示したことや、清澄庭園を東京大震災のときに開放し、多くの命を救ったことが紹介されました。

龍馬伝の中では弥太郎は狂言回しの役割でしたが、立派な人物になったんだと感慨深いものがありました。

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