映画・ドラマ感想百科 » 坂の上の雲 »

坂の上の雲 第6回

坂の上の雲 第6回

スポンサード リンク

このエントリーをはてなブックマークに追加







○あらすじ

19世紀は帝国主義の時代だった。産業と軍事力によって英国は世界に君臨していた。

1900年の5月7日、イギリスのポーツマスに、秋山真之と広瀬武夫はいた。真之は欧州駐在武官としてイギリスにいたのだ。

そこで日本がロシアの脅威に対抗するために購入した戦艦朝日を見る二人。

ロンドン王立海軍大学では、二人は英国の軍幹部と話し合う。英国は極東にまで手が回らず、そこでのロシアの台頭に危機感を抱いていた。

英国も清国のロシア政府を追い出したかったのだ。

その頃、清では義和団の乱が起きて、外国人が襲われていた。その鎮圧のためにイギリス、ロシア、日本などが参加。日本は文明国であることを示すために、国際法を守ろうとしていた。

明治33年秋、真之は欧州旅行から帰国した。東京・根岸で病気療養中の正岡子規を訪ねるが、彼の病はとても重くなってしまっていた。

満州(中国東北部)をロシアが侵略、居座り続けた。真之は諜報活動のために旅順に潜入した。ロシアは軍備を増強し、軍艦などを多数投入していた。

ロシアに戻った広瀬は、恋人のアリアズナとの仲を深める。日本ではロシアを脅威とみなす桂太郎たちに対し、伊藤博文がロシアとの同盟を提案していた。


○感想

1年ぶりに再開した、坂の上の雲です。私はNHK大河ドラマの「龍馬伝」もすべて観ました。俳優さんの熱演や凝った映像には感心しましたが、演出や脚本に違和感を感じるところも少なくありませんでした。

一方、坂の上の雲は渡辺謙の落ち着いたナレーションや、大げさでない演出が私には合っています。

さて、戦艦朝日に真之と広瀬が乗り込んでいましたが、巨大な砲塔はとても迫力がありました。

義和団事変のときの、各国の兵士の写真が出ていました。一番右側の一際小柄な人物が日本兵です。小柄なのに精強という評判だったそうです。

龍馬伝では岩崎弥太郎を熱演していた香川照之ですが、こちらでは結核に苦しむ正岡子規をみごとに演じています。痩せて、苦しげな彼の姿は見るに忍びません。

あれほどの病に侵されながら、新聞への連載をより頑張るのですから、すごい精神力ですね。この病床こそ悪夢だ、という彼の言葉が耳に残ります。

妹の律も、いつ感染するかもしれない兄の世話を続けたのですから、ほんとうに頭が下がります。包帯を替えるシーンの子規の痛々しい背中は見ていてもつらいものでした。

そこに真之がアメリカ土産のドリーム・キャッチャーというものを差し出します。こういうものがあるとは初めて知りました。正岡子規も、どれだけ病気という悪夢から解放されたかっただろうか、と思いました。


○美しいアリアズナ

アリアズナ役の女性、私のタイプです(笑)。私ならもう日本に戻ってこなかったかもしれません。

広瀬の語った、「力が強いだけでなく、心が優しいのが日本の武人の理想だ」という言葉は印象的でした。軍人の矜持を感じます。

小村寿太郎を私の好きな竹中直人が演じています。竹中さんはオーバーな演技も面白いのですが、今回の役は抑えめで、自然でとてもよい味を出しています。

その小村は北清事変講和条約をまとめたことで、桂内閣の外務大臣に就任します。


○日本に忍び寄る危機

冒頭で、帝国主義の時代には、国々は植民地になるか、自らも帝国主義を採って他国を植民地にするしかなかったという重いナレーションがありました。

日本の危機感もさぞ強かっただろうと思います。そこに、満州全域がロシアの植民地になってしまいそうな状況が訪れてしまいます。

桂太郎は、元老の伊藤博文や松方正義に、日英同盟を結んで極東からロシアを排除するという案を示します。しかし、伊藤はロシアと同盟を結ぶという奇策を披露し、井上馨に笑われます。

確かに私も、伊藤さんの案は強盗にお金を出して助けてもらうというようにしか思えないのですが…。

伊藤の考えは、強国であるイギリスと条約を結んでも、対等のものにできるわけがないというものでした。そして彼はロシアのサンクトペテルブルグへ。

平和論者である大蔵大臣のウィッテと面会した伊藤は、朝鮮に軍事施設を置かないなどの条件付きで、朝鮮半島をロシアが占領しないという案を示し、彼の同意を得ます。

満州の次は、ロシアが朝鮮半島を取りに来る。そうすれば、いよいよ日本は危ういと考えたのです。

金色がまばゆいエカテリーナ宮殿で皇帝ニコライ2世にも面会した伊藤。

しかし、手応えに喜ぶ伊藤に広瀬は、ウィッテはすでに皇帝の信を失い、協和は見せかけであると忠告します。しかし、かえって伊藤は怒ります。

これを見て、私もあちゃーと思いました。現地に駐在している広瀬さんの情報を聞かずに、突っ走ってしまってはまずいでしょう。現場をおろそかにしてはいけないと思いました。

広瀬には帰国命令が出たため、泣く泣くアリアズナとは別れざるを得なくなってしまいました。泣けます。

皇帝はウィッテを遠ざけますが、一方で日本を甘く見ていました。威圧すれば日本は屈し、戦争になどならないと考えていたのです。

ベルリンにいた伊藤博文のもとに、彼の予想だにしないロシアの回答が届きました。そのときの驚愕ぶりを、加藤剛がみごとに演じていました。

1902年の1月30日、日英同盟が締結されます。常備艦隊参謀として戦術研究を熱心にする秋山真之。一方、広瀬少佐は、シベリアをそりで横断し、帰国の途につきます。

アリアズナとは今生の別れになってしまうのでしょうか。私は原作を読んでいないのですごく気になります。それにしても、あの寒いところをそりで横断するとは、さすが軍人ですね。シベリア鉄道に乗ったことも、将来の戦争に備えた情報収集なんですね。

今回印象に残ったのは、やはり帝国主義が強いる弱肉強食の世界です。誰しも戦争は望まないものの、否応なしに富国強兵に駆り立てられていく。それが生んだ悲劇の一つが、広瀬とアリアズナとの別れだったのだと思います。

スポンサード リンク

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)