映画・ドラマ感想百科 » 坂の上の雲 »

坂の上の雲 第13回(最終話)

坂の上の雲 第13回(最終話)

スポンサード リンク

このエントリーをはてなブックマークに追加







あらすじ

日本の命運を賭けた海戦が始まった。東郷平八郎の指示で連合艦隊は敵前をUターンする。これが丁字戦法の始まりだ。

秋山真之は、こうすることで敵艦の頭を押さえようとしたのだ。そして連合艦隊がようやく射撃を開始し、敵艦に命中した。

目標は敵の旗艦だ。

敵の指揮官、ロジェストウェンスキーに部下が艦の間隔を開けるように進言するが、彼の反応は鈍い。思いもかけない苦戦に呆然としているようだ。

「何ということだ」とつぶやく指揮官。ロシア艦隊は日本の猛攻撃によって燃え上がっていた。

こうして真之の立案した作戦はみごとに成功し、日本は勝利した。

真之は苦しい任務を経て、日本に帰った。彼の母親は日本軍の勝利を知り、真之の帰りを心待ちにしていたが、残念ながら亡くなってしまっていた。

彼の帰りを出迎えた妻の季子。しかし、真之の心のなかには、戦火をくぐり抜けた者ならではの苦しい思いがあった。

スポンサード リンク


感想

ついに最終回を迎えましたね。一時は完成が危ぶまれていたそうですが、無事に秋山兄弟の戦いの行方を見届けることができました。

東郷平八郎たちの採った戦法について詳しく知りませんでしたので、とても勉強になりました。

今回も戦闘シーンは迫力がありました。洋上に落ちた砲弾によって上がる水しぶき、燃え上がる船、海に落ちてしまいもがく兵士たち。

原作者の司馬遼太郎さんは、実写化は戦争を美化するような作品になってしまうのではないか、と危惧されていたそうです。しかし、今回のドラマは戦争の虚しさや悲しさを感じさせるものになっていたと思います。

甲板の上でロシア艦隊を見つめる東郷たちの顔にも、不利な戦いに勝てそうだという高揚感はなく、緊張感に加えて悲しさもあったように感じました。

巨大な敵艦が縦になって沈むところも迫力がありました。

この丁字戦法は真之の独創である、とナレーションにありました。もしこの戦法がなかったら、日本はどうなっていたのでしょうか。

それだけに実戦に臨む真之の緊張もとてつもないものだったのではないか、と想像しました。


戦争の終わり

日本軍はロシア艦隊を一隻残さず沈め、しかも自軍にはほとんど被害がないという大勝利でした。

もっと負傷者が出るつもりじゃった、とつぶやく東郷のシーンが印象的でした。

指揮権を譲られたネボガドフの艦隊は、砲撃を止めます。真之は武士の情けでこちらからの発砲を止めるように進言しますが、敵は前進し続けているからそれはできないと東郷が言います。

確かにそのとおりですね。油断するとこちらがやられるかもしれません。結局ロシア艦隊は停止し、砲をこちらに向けるのも止めたようです。

こうして日露戦争は終結しました。


総評

戦争が無事終り、秋山兄弟だけでなく私もほっとしましたが、真之は妻に意外なことを言います。私は真之さんのお気持ちが分かる気がします。

終盤の好古と真之の場面はとても感慨深いものでした。

帝国主義の台頭した時代に、日清、日露戦争を生き抜いた日本。その背景にはなんとか日本を守ろうというたくさんの先人の努力があったんですね。

日本は大震災もあって大変な状況ですが、それだけに秋山兄弟の生き様に励まされた思いです。

私がとても印象深かったのは、俳人・正岡子規の闘病です。あれほどの苦しい思いをしながら、病床で自分を客観視し、俳句などを作り続けた精神力には感服しました。

それから、本木雅弘さんの凛とした演技はとてもすがすがしいものでした。一方でマメをボリボリ食べながらおならをするところは、よいアクセントになっていました。

真之が上京して好古の家に厄介になるところもとても面白かったです。お屋敷に住んでいるのかと思ったら、掘っ立て小屋でしたから。


戦闘シーン

戦争を軸とした物語だけに、戦闘シーンも多かったです。203高地での死闘は特に印象的でした。

敵の銃撃や砲撃が絶え間ない中を、捨て身で突進していく兵隊さんたちの姿は脳裏に焼き付いています。

夏目漱石が、正岡律に「文人は軍人に頼らないと文学などできないという妬みがある」というシーンがありました。

このシーンも私は感銘を受け、考えさせられました。確かに戦争に負けてしまえば日本語が自由に使えなくなり、文学が読めなくなります。

「ペンは剣よりも強し」という言葉がありますが、実際のところペンが剣より強いということはないでしょう。

夏目漱石の気持ちがよくわかるような気がします。

戦争は多くの人が亡くなったり負傷するという、とても嫌なものです。しかし現実には武力なくして国を守るのは難しい。

漱石の悩みは現代になってもまだ解決されていませんね。


おすすめの作品

阿部寛、香川照之、渡哲也を始めとして豪華な俳優陣が迫真の演技をされていて、とても見応えがありました。

明治時代の街並みや海上を進む戦艦など、CGもリアルでまったく不自然さがなかったのには驚きました。

エンディングテーマなど久石譲の手がけた曲もとてもよかったです。

苦しい時代の中を前のみを見つめて歩き続けた秋山真之、好古、正岡子規。彼らの生き方に励まされました。

まさに大作という名にふさわしい、完成度の高い作品でした。おすすめです。

スポンサード リンク

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)