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坂の上の雲 第13回(最終話)のネタバレ有りレビュー

坂の上の雲 第13回(最終話)のネタバレ有りレビュー

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ロシア艦隊が停船し、敵艦に赴く秋山真之。その中で彼は負傷した敵兵を目にし、亡骸に手を合わせます。

敵とはいえ、自分の作戦によって多くの将兵を死なせたことは真之にとってつらいことだったのだと思います。

東京の根岸では、正岡子規の門弟の俳人や夏目漱石が集まっていました。

しかし、漱石は「大和魂というものは見たことがない」というように軍人をからかうようなことをいいます。その態度に律が不快だというと、漱石は意外なことを言います。

彼は、軍人に対する妬みからそんなことを言ってしまったと謝ります。自分たちが文学を論じてみても、文人は軍人に国防を頼るしかない。

日露戦争に負けたら日本はロシアの植民地になり、文学を読めなくなる。それが怖く、悔しいというのです。

この意見は私もなるほどと思いました。

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秋山季子

季子は一人で東京の神社をあちこち拝んで回っていました。もちろん日本の戦勝祈願、そしてなにより夫の真之が無事であることを祈ったのでしょう。

この頃はテレビもインターネットもありませんから、情報が届くのも遅いです。季子だけでなく、将兵の家族は戦争の結果が気になってしかたがなかっただろうと想像します。

ネボガトフは、他の軍艦がどうなったのか聞きたいと言います。11隻が沈没したと聞き、絶句するネボガトフ。彼の沈黙した気持ちがよくわかります。

日本が大勝利との号外が出て、季子は義母と勝利を喜びます。しかし真之が生きているかはわからないのでその身を案じる母。

満州では好古が電報を受け取っていました。そこには母が病没したことが書かれていました。

お母さんは真之の帰りを心待ちにしていましたが、間に合わなかったんですね。とても残念です。

「わしは世の中のお役に少しは立てたんじゃろか?」とつぶやく真之。もちろん日本のために素晴らしい活躍をされたわけですが、本人の心のなかには、多くの人を死なせた自責の念があったのかもしれません。


日本のその後

夜中に寝付けず、散歩に行くという真之を必死に止める季子。季子がいかに真之の帰りを待ち焦がれていたかを感じました。

真之は、季子に「海軍をやめようかと思う」と打ち明けます。「死んだ人間をぎょうさん見過ぎた。もうこれ以上人が死ぬことに耐えられん」という言葉は印象的でした。

これが戦争の実相だと思います。ほとんどの将兵は行きたくて戦地に行くわけでなく、殺したくて敵を殺すわけではないはずです。

ただ、やらなければやられる。祖国や家族を守るために戦争に行くのです。戦争とは本当にひどいものです。

真之は坊さんになって戦死者の供養をするつもりでしたが、結局海軍はやめなかったそうです。

ロシアはこの敗戦によって軍政が崩壊し、ロマノフ王朝は崖っぷちに立たされました。

アメリカのルーズベルト大統領が仲介し、ポーツマスでの講和交渉が行われることに。小村寿太郎(竹中直人)が代表として望みますが、賠償金は得られませんでした。

勝ったとはいえ膨大な戦費をつぎ込んだのです。それなのに賠償金を取れないとは、と世論は沸騰し日比谷公園焼き討ち事件に発展します。

真之は正岡子規の家まで行きますが、静かに立ち去ります。そして子規の墓参りをします。

児玉源太郎は乃木希典に、「ようやく終わったのう」と言いますが、乃木は淡々と「何一つ変わりはせん」と言います。

この乃木の台詞は、戦争が次々起きるこの世界は変わりはしないという意味でしょうか。


エンディング

秋山好古と真之は海で釣りをします。「何十年ぶりかのう」という好古に、「兄さんと釣りをしたことは一度もない」と真之。家が貧乏だったので、好古は遊ぶ暇がなかったのです。

昔の人は勤勉でしたね。そして好古は、真之に一言、「ようやった」というのでした。

大役を果たしてのんびり暮らせるのかと思いましたが、真之さんは49歳で亡くなってしまうんですね。辞世の言葉は「これから一人で行きますから」というものだったそうです。

好古は中学校長になりました。彼が息を引き取るシーンでは、戦場にいるかのようなうわ言を言っていました。

そして好古さんもこの世を去りました。ラストシーンの澄み切った青空と、白い雲が静かな余韻を残しました。


総評

こうして明治を生きた楽天家たちの物語は幕を閉じました。大げさすぎる演出がなく、ラストシーンに代表されるように淡々とした描写が、私にはとてもよかったです。

本木雅弘も香川照之も、学生時代の頃から演じていましたがまったく違和感がありませんでした。珍しく怪優の竹中直人さんがとても抑えた演技をされていましたが、自然でよかったです。

それにしても俳優陣の顔ぶれはとても豪華でした。本当の演技というものを堪能できました。

青春時代はとても希望にあふれた展開でしたが、正岡子規が病気になってしまって雰囲気が変わります。彼は才能のあった人物なのに病に非常に苦しめられてしまいます。

それでも最期まで自分を冷静に見つめ続けたのですからすごいです。そしてその兄を支え続けた律(菅野美穂)も立派です。

列強が版図を拡大する中で、日本も苦しい戦争をします。しかし坂の上の雲を目指し続けた秋山兄弟などの活躍によって、主権を守れたわけですね。

久石譲の曲もよかったですし、演技も演出もよかったです。戦闘シーンもとても迫力がありました。おすすめの作品です。

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